発作的に原付で遠出してきました。ゴールデンウィーク最終日だってのにどこにも行ってなかったということもありますし、なにより中途半端に時間があったので。
 まず東京湾フェリーにて金谷まで。この段階では木更津までバイクで走って久留里線にでも乗るかーとか考えていたわけですが、ちょっと頭のなかで時間を計算しただけで、どうあがいても無理だろってことがわかったので、予定を変更して、千葉のモノレールだけでも乗ってくるか、なんてことを考えていました。

 走り始めて数分、Nexusの置き場所に困りはじめました。実は今回、どうそせそんな遠くに行くわけじゃなし、荷物なんか最小限でいいよねー的なノリで、ふだんかばんのなかに入っているバッグインバッグ的なものだけ掴んで発作的に家を出てきたもので、気軽に荷物を取り出せない状況になっておったのです。
 しかしやはりかばんは重要でした。いちいちメットインスペースに放り込んだ荷物を、バイク止めてまで引っ張り出すのは、めんどくさいという以上にただの苦行でした。
 じゃあそのへんでかばんを買おうと、まあそういう発想になるわけなんですが、このあいだ、帆布のフルオーダーのかばん作ってくれる店で、大枚はたいてショルダーバッグを註文したばかりで、さすがにこの状況でさらなるかばんを購入した日にゃ、世間が許しても妻が許してくれません。予算はいいとこ1000円までです。
 というわけで、走りながらオフハウス的なリサイクルショップを探します。
 さんざんぐぐってみたり地図を見たりしながら、ようやくルート上にそれらしきものを発見しました。

 しかしその店ってのが、最近のリサイクルショップっつーよりは、昔ながらの質流れ品を扱う店がリサイクルショップのふりしてみたけどうまくできなかったよごめんね的な感じでありまして、ショルダーバッグだったらなんでもいいよっていうガバガバな客である俺にプラダとかなんか高そうなものを見せつけてくるのです。違う、そうじゃないです。俺みたいな庶民の肩にそんなもん乗せたりしたら、科学を超越した謎の作用によりちんこもげる。
 結局このお店にはそういうものしかありませんで、俺はなにも得られませんでした。あとやたらチェーンソーおいてあったんだけど、あれはいったいどういう需要と供給の関係でああなったんだろう。

 さて、こうなると千葉モノレールがうんぬんの前にまずかばんです。俺にはこうした目的がすり替わってなにがなんだかわからなくなる部分がけっこうあります。
 どうしたもんか。ゴールデンウィークでもなければヒマそうなファミマの前でいっぷくしながら俺は考えました。かばんを簡単に安く入手できる場所。リサイクルのほかには、ロードサイドだとホームセンターなんかが考えられます。
 そこで天啓のごとくひらめきました。俺ガイルの作者も言っているではないか。千葉といえばジョイフル本田、ジョイフル本田は千葉の本体であり、外殻が落花生であると。
 なお、ウィキペで「ホームセンター」の項目を調べると主要なチェーンの店舗数や売上の規模がわかるんですが、じジョイフル本田、あきらかにおかしいんですよ。1店舗あたりの売上がブチ抜けて高い。これなにかっていったら、つまり店の規模がでかいってことです。ホームセンターの醍醐味のひとつとして、常に「日常生活で必要とされるもののちょい上の品揃えがなされている」ということがあると思うんですよ。東急ハンズが急速に売上を落としていった理由のひとつがこれだと思うんですが。
 なにはともあれ、ホームセンターにおいて「規模が大きい」ってのはそれだけである程度の娯楽性を保証している、と俺は考えます。
 問題は営業時間。ジョイフル本田のことを思い出したのは、工場街のどまんなかにある特殊極まりねえ立地のローソンにいたときでした。時間的にはスレスレ、ちょっと道でもまちがえたらもうアウトだよね、というような時間。
 焦りました。目的地はジョイフル本田市原店。ふだんの俺はどんな幹線道路だろうときっちり制限速度をきっちり守る迷惑なことこのうえない安全運転おじさんなのですが、このときばかりは多少の速度オーバーはやむを得ない、そう覚悟を固めました。今日、俺は公権力に牙を剥く狼になる――時速35キロを出してやる……!
 そんな悲壮な覚悟を決めた俺に襲いかかるのは、工場地帯の産業道路的な道特有の異常なまでの路肩の状態の悪さです。段差があるとかそんなレベルじゃない。むしろ罠。英語でいうとトラップ。どんなトラップかというと、うかつに30キロとかで突っ込むとサスが底打って舌噛みそうになるわ、新手の公道アトラクションですね、クリア失敗で後方から迫ってくる大型に轢かれてついに念願の二次元入りだね♡みたいなひっでー路面状態。さらに大型がブチ開けただろう穴を不規則に補修してあるもんだから、ハンドルがどう取られるかほんっとまったくわかんねえの。
 暗くなってきてただでさえ鳥目ぎみで夜の運転が怖い俺は、ほんと戦々恐々って感じでなんとか約束の地、ジョイフル本田に営業時間内に辿り着いたのでした……。

 さて、外観でありますが、思ったよりは仰々しくないです。なんかこう、もっと横に巨大で、端っこに立って反対側を見ると霞んで見えるとかそういうレベルのものを期待してたんですが、さすがにそれほどのことはございませんでした。
 売場は、いくつかの建物をむりやり連結したような感じで、その内部をいくつかに仕切ってジャンルごとに商品が陳列してあります。ただそのコーナーひとつの単位がでかい。さらに陳列がですね、まったく洗練されてい感じがなく、ただひたすらに詰め込んでありまして、雰囲気としてはもはやドンキとかに近い。広い売場でこれやられますと、いくら天井高いとはいっても圧迫感すごい。つまり圧倒的に量感ある。
 俺が商品のジャンルとして多少は詳しいといえるのは文房具ですんで、さっそくそのへん行ってチェックしますと、まー多いのなんの。残念ながら、俺が入店した段階ではすでに蛍の光が流れているようなあんばいで、個別の品揃えまで踏み込んで確認している時間はありませんでした。
 自分のうちの近くにあるのがカインズホームで、ここは ホームセンターのなかでもわりとプライベートブランド比率が高く、かつは画一的な棚割が特徴なものですから、特に俺の目にはジョイフル本田がもの珍しくうつりました。いずれ余裕をもってじっくり見てみたいものです。
 ちなみなかばんはここで買いました。ショルダーバッグであまり大きすぎなければなんでもよかったんですが、これがあんがい使い勝手がよくて謎の敗北感ありました。かばんはけっこうマニアの自覚あったのに……。

 ここからあとは、とにかく時間がやばかったこともあって、ひたすらバイクを走らせてました。千葉の湾岸部ってすごいんですな。いわゆるスーパーセンター的なものがごろごろある。およそロードサイド的な商売でないものはないといっていいほど。
 これはたまに東京に行くといつも思うことなんですが、都区部なんかは「ごくふつうの」消費生活ってことて考えると、そこまで便利な場所って感じは実はあまりしない。先端のものってことでは都心部のしかるべき場所に行かないと難しいかもしれない。特にいまや百万都市でもいわゆる専門店って通販の影響か壊滅的な状況で、そんななかで成立しうる専門的な実店舗っていうと単なる人口の集積だけではダメで、街全体がショーケース的な役割を担っている必要性がある。
 じゃあふつうの消費生活はどこにあるのっていったら、そりゃロードサイドにあるんですよ。尖ったものの角がとれて、大量生産が可能になって、要するに成果物だけがロードサイドにある。大まかな流れとしてはそんなとこなんでしょうね。

 めしを食う場所を探しながらだらだらと走っていて、とにかく無性に肉が食いたかったのですが、小岩のあたりでペッパーランチダイナーとかいう店を見つけたので入りました。
 ふつうのペッパーランチと違う点は、食券制ではないこと、あとはメニューが多少晩飯っぽくなってることくらいでしょうか。まあ俺としては肉食えればなんでもよかったので肉食えてよかったです。

 あとはひたすら自宅までバイク乗ってました。もう5月たってのにやたら寒いし尾てい骨痛いしろくなもんではなかったのですが、俺はほんとバイク乗るの好きだなあとあらためて思いました。とても楽しかったです。翌日の仕事が地獄でした……。