ねくさすたん破壊した……。
 さて、いきなりですが俺には「画面は見るものであり触るものではない」という謎の哲学があります。めがねでもなんでも透明なものに指紋がついているという状態が許せないうえに、俺自身は極度の脂性です。ゆえに画面に触るのは禁忌にも近い行為となるわけです。
 したがって、スマホであれタブレットであれ画面に触って操作するものはつい半年くらい前までまったく使ってきませんでした。MP3プレーヤーですら画面に触る機種は忌避してきたほど徹底しています。
 最初にタブーを破ったのはMP3プレーヤーでした。それ以前に愛用していた東芝のえっらい古い機種の電池がついにご臨終状態になり買い換えなければならない。ああいうのは価格的にそこまで高いものでもないし、それになにより音質や操作性は自分の手で確認したい。ということで家電量販店へ赴きましたらば、店頭にはウォークマンとiPod以外なにもない、という状況です。俺はなぜか林檎のマークのついたものも買わないという習慣があります。またカセットテープの時代からソニー商品は蛇蝎のごとく嫌っておりました。
 要はですね、オープンでない環境ってのが嫌いなんですよ。多少不便があっても汎用性があるほうがいい。いにしえのソニーとアップルって似た体質がありまして、その会社の内部の機器なりサービスなりだけを使っているぶんには快適なんですが、いったんその外側に出るとなにもできないという特徴があります。それが嫌いなんですな。
 しかしウォークマンは以前に妻が使っていて、マジックゲートのあまりの不便さの記憶が濃厚で、ついに林檎のマークのついた商品を買ってしまったというわけです。まあもともとPCでの音楽再生はiTunes一択の状況だったんでいまさらなんですけどね。
 タブレットは、最初はWindowsタブレットを買いました。別に某艦隊が娘であるようなゲームをやりたいからという理由ではなく、単純にWindows環境になじみがあること、あとはかつてのネットブックという枠がどこにもなくなっていたことが大きいです。まあ分離式のノートパソコン、実質はWindowsタブレットなわけですけど、これはあるんですよ。しかしポメラ購入の顛末でも書いたように、筋金入りの親指シフターである俺は極端にキーボードの選択の幅が狭い。ノートとなるとキーボードの変更がきかないですから、選択には慎重にならざるを得ません。というより、そもそも親指シフトに転用できそうなキーボードを装備した機種がほとんどありませんでした。そこでWindowsタブレット、という流れに。
 しかしこれが使えない。高い金出しゃ別なんでしょうが、せいぜいがテキスト書きとネットくらいにしか使わないものに高い金出す気にはとうていなれない。いきおい安物でいいやってことになるんですが、ありゃもうほんとにどうにもなりません。
 でもういいやと。かくなるうえは自宅にパソコン、持ち運びはAndroidのタブレットでいいだろうと。近ごろはAndroid環境下でも親指シフトも実現できるらしいし、なんとかなるだろう。そう考えて、ひとまずメジャーな機種であるところのNexus7を買ったというわけです。
 んでまあ、実際に買ってみたらなかなかに衝撃的でしたね。とにかくグーグルマップがさくさく動く。巷ではNexus7でももっさりしてるなんて意見もあるようですが、とんでもない。Windowsタブレットから引っ越してきた俺には天国みたいなもんですよ。しかも実売2万円そこそこじゃないですか。その価格でこの性能。ありえないって思いました。
 最初は外付けでキーボードも持ち歩いてたんですが、やがてタブレットでの日本語入力にも慣れまして、そこそこの文章ならこれひとつで書けるようになった。こうなるともうタブレットひとつ持ち歩けば充分。こんな軽くて小さい機械ひとつでネット環境でできることのほぼすべてができる。もう戻れねえって思いました。
 とはいえやはり文章を書くにあたってタブレットだと「どれ、やるかね」みたいな気の重さってのはどうしてもあって、それがポメラ購入につながるんですけども。
 んで、すっかりタブレットに依存した状況で、まちがってタブレットの上に座って画面を破壊しました……。
 もう同じねくさすたんを買い直すしかありません。これを機会に9インチとかも考えないではないんですが、歩いてる状態で片手で持ち運べる限界の大きさがNexus7ですね。それ以上だと「どっこいしょ」ってカバンから取り出すような気分になるでしょう。それだとタブレットの意味半減ですからね……。
 しかしまあこの手のこと考えるといつも思うんですが、ほんとに便利になりましたよねえ。モバイル環境にせよなんにせよ、とにかくかゆいところに手が届くので、だいたいの人は「便利のその先」にあるような使い勝手のよさを追求する。ハードの制約のほうに人間が無理してあわせるような時代じゃなくなった。逆にいえば、ハードの制約を我慢してまでモバイル環境が必要だって人じゃなく、だれでも簡単にそれを入手できる時代になったということでもあります。
 これについてはほんとに「いい時代になったなあ」と思うだけですね。過去に対する感傷もなにもないです。重くてでかくて電池もたない時代はもう繰り返さなくていいです。そして現在でも不足だと感じてる人は多いんでしょうから、そうである以上はさらに技術は進歩して、より使い勝手のいいハードがいろいろと登場するんでしょう。
 ……ただあれだな、ガラケーなくなるのだけは困るな。
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